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遊戯王 にはまってしまったようだ これは 萌を ほうしゅつするしかない▽
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第2話-part2   >> part1
「春嵐-前夜-

 


 カタカタと、キーボードを叩く音が響く書斎。キーボードを叩くのは瀬人だ。
 暫く何やら打っていた瀬人であったが、一旦その動作を止め、口元に手を置いた。
 デスクに置かれた自分のカップ。それを取ると、中に注がれているブラックコーヒーに口を付けた。心地良い苦味が口の中に広がった。
「…よし。」
 パソコン画面に映る文字の羅列。それは新たに書き起こしたシナリオだった。
 それはペガサスからプランを聞いた時、瞬間的に思い浮かんだ物だ。浮かんだのは大雑把なものではあるが、文字に起こしてみれば意外にすんなりと纏まってくれた。
 しかし、瀬人の考えたシナリオ。それを実行するためにはドラマ放送前の下準備が必要になる。海馬コーポレーションだけでは難航するかもしれないが、ペガサスの言葉、それを最大限に利用すれば問題はないだろう。
「シナリオの案、纏まったの?」
 カップを片手にパソコン画面を凝視する瀬人。その瀬人の様子に気付いたらしい乃亜は声を掛けた。
 乃亜と言えば、ペガサスの選出したキャストのデータを纏めていた。ほとんどのキャストがデュエルデータに登録されているとは言え、童実野高校の面々のようにデータ登録されていない者もいる。
 彼等のデータを収集するのは、海馬コーポレーションのデータバンクを使えば容易いものだった。もちろん個人情報を収集してしまっているわけではあるが。
 それと瀬人がペガサス以外で唯一負け続けている相手。乃亜は興味を持っていた。大会への出場経験はそれほどないらしいが、出場する大会ではことごとく勝利し未だ無敗。ただそれくらいで、あまりその相手に関するデータには辿り着けなかった。
 そうとは言っても、ただデータ収集をしていただけだから、乃亜にしてみれば簡単すぎる作業だった。もうほとんど作業は終わっている。あとはコーヒーを飲んだり、自分の仕事に手を付けたりするだけで手持ち無沙汰であった。
 瀬人はカップを置いて、顔を乃亜の方へ向けた。何やら自信があるらしい、そんな表情をしていた。
「ふぅん、乃亜。我ながら完璧なシナリオだ。今回のプランの成功は貰ったような物だな。」
「へぇ。それで、そのシナリオってどう言うの?」
「あぁ、…今そっちに送るからそれを見てくれ。」
 瀬人のパソコンから送られたデータ。出来たばかりのシナリオを乃亜はカップを片手に眺めていた。カップの中身はもうほとんど入っていない。眺めながら乃亜は頬杖を突いた。
「……ねぇ、瀬人。これで大体完成?」
「あぁ、そうだ。後は下準備が整うかどうかだな。ペガサスに却下はさせんつもりだ。」
「あ、そう。…とにかくモクバは喜びそうだよ、これ。」
 どうやら基本的なシナリオの概要は、瀬人の中では変わらないらしい。
 ペガサス版のシナリオは、“主役のペガサスがひたすら勝ち上がるストーリー”だった。瀬人の書いたシナリオを一言で言ってしまえば、“主役の瀬人がラスボス:ペガサスを倒すまでのストーリー”。こんなところだろうか。
(……本当、モクバは喜ぶよ、これ。)
 最終的にボスを倒すという辺り、まだストーリー性はあるかもしれない。けれど─。
 乃亜はデータを保存し、そして自分のパソコンの電源を落とした。時計を見るともう日付は変わってしまっている。コーヒーは1杯だけだったから、そこまで眠気が覚めた訳ではない。そろそろ自室に戻って、眠りに就いても良い。
 小さく欠伸をし、一度大きな伸びをした。
「瀬人、先に言っておく。ボクに出来る事はもちろん手伝うつもりだけど…デュエルだけは遠慮しとくよ。」
「何故だ、乃亜!一応ペガサスの顔を立てたシナリオには出来上がっているだろう。ついでにデュエリストも多く出す予定だから、それなりに面白いデュエルも見られるに違いない。…それに乃亜、お前は出ないと言うのか!?」
「あぁ、もう!何でそうデュエルの事になるといちいちヒートアップするかなあ、瀬人はさ!ボクが言いたいのは、画面には映っても良いけどデュエルは遠慮する、そういう事さ!いくらボクだって、負ける事前提のデュエルはしたくない!」
「クッ…、乃亜!」
「…ボクは部屋に戻るよ。そろそろ眠くなってきたし。瀬人もいい加減にしないと明日学校だろ?遅刻するよ。」
 椅子から降りてカップを持った乃亜は、また一つ欠伸をした。
 瀬人はまだこのプランを練り上げるらしい。またカタカタとキーボードを叩く音がする。
「…ふん、このオレが遅刻などする訳ないだろう。まぁ良い。おやすみ、乃亜。」
「おやすみ。」
 パタンと書斎の扉が閉まる音。
 書斎に一人残る瀬人は、まだまだ自室に戻る気配はなかった。



第2話「春嵐-前夜-」-END
write:2008.09.16


社長、阿呆な感じになっちゃってごめんね。ついでにまだ役回り悪いよ、ごめん/(^o^)\
ペガサスは自分の案却下されるの予定通りだった筈。瀬人に任せる形になれば計画実行確実だから。ペガサス=頭脳犯^q^
闇’sまだちょっと先。次はあの子がいっぱい出てくれる予定^^

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