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遊戯王 にはまってしまったようだ これは 萌を ほうしゅつするしかない▽
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 ≪ 旅の道行き10のお題 ≫
  1. 旅立つ日の空は
  2. 振り返らないと決めた
  3. うしないませんように
  4. 求めるものの影
  5. たとえばこの先に
  6. もう行かなければ、
  7. 願いを辿る道
  8. 残してきた過去のこと
  9. 届くようにと祈る
  10. いつか来る日へ
※設定※
闇表前提。闘いの儀の少し前からその後。
1→10で続き物。基本シリアス。DM沿い。

配布元: loca
 


“名も無きファラオ”
 それが、オレの姿だった。

* * *

 オレが何者であるのか。一体何なのか。それはオレ自身分からない事だった。
 しかしそれは、様々な出来事を通して知る事となった。
 オレの失われた記憶。─そして、名前。
 現世に蘇って間も無くは、深く考えなかったオレの存在理由。
 何故こうしてオレは存在しているのか。存在意義は何であったのか。
 何故、相棒でなければいけないのか。
 過去も、何もかも全てを知ってしまった今では、役目を果たさなければいけない。それが今まで存在してきた理由、そして相棒を選んだ理由だろうから。

「お前と、永遠に共にいたい─」

 あの日誓ったあの言葉。それは紛れも無く本心からの言葉だった。
 このまま、この傍から見れば奇妙な相棒とオレの関係。それはいつまでも続くものだと当たり前に認識していた。寧ろ、それをオレは望んでいた。相棒を失う事に恐れていた。
 あの日の言葉はオレが何であるかを知ってしまうにつれて、誓えないものへと変化した。いや、そもそも誓えないものを、勝手に誓えるものだと思っていただけかもしれない。
 オレの人生の中で最も充実した、そして楽しかったこの時間が生んだ身勝手な誓い。そしてそれはオレの心の弱さに因るものに過ぎない。
 この体を共有している時間、大切な相棒といられる時間は、確実に終わりに向かって進んでいる。

「相棒、オレは本気でお前を─倒す。」

 相棒はオレを見送ると決めてくれた。最後のデュエルの相手に、自ら名乗り出てくれた。それも海馬瀬人、奴の言葉を受けながらだ。
 オレにとって、おそらくこれが最後のデュエルになる。それを自らの強い意志で受けてくれた相棒に、オレは背きたくない。
 共にいてくれた掛け替えのない相棒。
 本気で勝ちに来るだろう。デュエリストとして。そして、オレを逝くべき所へ導くために。
 逝くべき場所に逝く為とは言え、たとえ相棒相手だとしても負けを譲るつもりはない。正々堂々、本気で勝ちを取りにいく。
 それでももしオレが負けた時は、オレの役目が本当に終えられた時だろう。
 だからその時オレは振り返らない。
 相棒と、そしてみんなと別れる時は。
 デュエルキング、その名に恥じない最後を。
 ──振り向かず、前だけ向いてオレは逝く。



write:2008.09.18


メンタル豆腐じゃない王様も好きだぜ。

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