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バク獏でシュークリームの話。
※設定※
- 二心別体。
- 獏良とバクラは2人暮らし。
- ↑寮生でも良いかもしれない。
- 穏やか仲良しバク獏。
- バクラ+獏良な気もする。
冷蔵庫を開けると、もちろん入っているシュークリーム。
大好物であるそれは、スーパーに買出しに行く時とか、コンビニに寄った時とか。たまに学校の購買でも見付けたら。
会計をする時には、いつも必ずシュークリームがかごに入っていたり、手に持っていたりする。
小さい頃から大好きだったシュークリームは、高校生になっても大好きなままだった。
「やっぱり美味しいよねぇ、シュークリーム。」
今、目の前にあるのは冷蔵庫から出した大好物。それも“抹茶&ホイップクリーム”っていう、季節限定商品だ。
何でもかんでも“限定”が好きな訳じゃないけど。でも、大好物の“限定”は大好きだ。
当たり外れは大きいけど。
「いただきまーす。」
パクリと一口。
シュークリームの断面を見てみると、クリームが二層になっている。上に抹茶、下にホイップクリーム。抹茶の緑とホイップクリームの白は、なかなか綺麗な色合いだった。
抹茶味は思っていたより甘くて、苦味は少しもなかった。これはボクの中で当たりだ。また見付けたら買うかもしれない。
一口欠けたシュークリーム。これを隣に座るもう一人に差し出してみた。「食べる?」って言うつもりで。けれど心底嫌そうな顔をされた。
「何だ、食べないの?こんなに美味しいのになぁ。」
「…了、お前よくそんな甘いモンばっかり食ってられんな。毎日食ってて飽きねェのかよ?」
どうやら食べるつもりはないらしい。それどころかポケットから出したガムを取り出した。ミント味、ボクなら滅多に買わない味だ。…あ、口に入れた。
仕方なく差し出したのを引っ込めた。そしてまた自分の口に運ぶ。甘くて美味しいシュークリーム。けれど少しだけ、抹茶の苦いのを感じた気がした。
「ボクは飽きないよ。だって大好きだし、シュークリーム。いろんな味あるんだよ。ほら、中のクリームも違うしさ!シューだって物によって全然違うんだよ!」
「…へぇー。オレ様にとっちゃあ甘いだけ、だけどな。」
「ガムは食べるのに、シュークリームは嫌なんだ。」
「一緒にすんじゃねぇよ。全くの別モンだろ。」
ガムをもぐもぐ。ミント味のガムと甘いシュークリーム。…確かにまったくの別物だ。それは分かってはいたけれど。
同じものを食べて、一緒に美味しさ分かったら良いなぁと思うのは良くないのかもしれない。
一口、また一口。甘いのと苦いのとが交互に口の中に広がった。何となく口に入れる速度が遅くなる。もちろん美味しいけど。
何となく俯きながら食べた。ひたすら、もくもくと。
全部食べ終わったあたりで隣に座るもう一人を見てみた。…目を疑った。あれ、さっきは嫌そうな顔をしていなかったっけ。何だかいつもと違う優しそうな、そんな風に見えた。
気のせいかと思って、顔を正面に向けた。そしてまた見てみる。やっぱり、さっきの嫌そうな顔はどこかにいってしまったようだった。
あんまりそういう顔を意識して見た事がないから、何だか気になってじっと凝視してしまった。そしたらまたさっきみたいな嫌な顔。…とは違う、けどどこか決まりの悪そうな顔をされた。
「何だよ。オレの顔に何かついてんのか?」
「うううん。ついてない。ただ、ちょっと。」
「…ちょっと?」
「ちょっと……まぁ、良いじゃない。」
「良くねぇ、言え。」
「…えー。」
決まりの悪そうな顔、それが今度は不機嫌な顔に変わる。こうなったらちゃんと言わないと機嫌は直らない。それは一緒に住んでて学んだ事の一つだ。
あーとかうーとか誤魔化そうとしても、それはさせてくれないから。だからあははと何となくの気恥ずかしさを紛らわせながら、言うしかなかった。
「やぁ、だからね。」
「…何だ?」
「だからね、珍しく良い顔だなぁって。ほら、シュークリーム食べる?って時は嫌そうだったのに。」
「あー……。」
「?」
何だかばつの悪そうな顔。そんな顔されたら、こっちが気になって仕方ない。
訝しげに見ていたら、チッと舌打ちを一つ。たぶんこれは拒絶とかそう言うのじゃなくて、察しが良すぎるから何て言おうか、それを考えてるんじゃないかなあと思う。
「ねぇバクラ、どうしたの?」
「…何でもねェ。って言っても気になるんだろ?」
「うん、気になるよ。」
やっぱり察しが良い。普段はがさつだけど、こういうところは凄いなあって尊敬してる。一応。
隣のキミは今度は一つ溜め息を吐いた。そして噛んでたガムを紙に包んでゴミ箱に捨てた。
「…本当に好きなんだなァって、それだけだ。」
「どういう事?」
「オレ様はシュークリームなんざ食いてぇとは思わねェが、了が好きなモン食ってんのを見るのは嫌いじゃない、って事だよ。」
そう言ったキミはわしゃわしゃとボクの頭を思いっきり撫でた。と言うより思いっきり髪をくしゃくしゃにした。
いきなりで驚いたけど、何だかくすぐったくて思わず笑ってしまった。「笑ってんじゃねェよ」って聞こえたけど、ほころぶ顔はそのまんまどうにもならなかった。
write:2008.09.17
何だこれ。自分でもよく分からないorz
バクラと獏良は仲良しが理想なんだ。ほのぼの兄弟的な感じ。白宿主が好きです。