遊戯王 にはまってしまったようだ これは 萌を ほうしゅつするしかない▽
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※微シリアス:大神死後、白雪独白
僕等の夏が終わった。
僕等の夏が終わった。
ご め ん ね 。
ボクは3年生になって、レギュラーにもなった。
ピッチャーは勿論キミ、大神じゃない。
『甲子園、絶対優勝しような!』
こんな約束をしたのはもう随分前の事で。
それでもつい昨日の事のように思い出せるのは、
キミの言葉が力強くて、真実味を帯びていたからだ。
キミが生きていたら、真実になったんだろうけど。
ボクはボクなりに練習に打ち込んできたつもりだった。
キミの球を受けられなくなってから、
次点のピッチャー…今ではエースピッチャーの球を受けてきた。
そしてキミと考えた打法。
空蝉。
完璧にボクの物にする為に、足りない物を補ってきた。
どんな球にだって食らい付いていったつもりだった。
でもやっぱり駄目だったみたい。
ボクには、ボク達にはキミが必要だったよ。
「…っく、ごめんね。…ごめんね」
県大会、ボク達は負けてしまった。
"甲子園"っていう所は、
キミが居なくなってからはもう大分遠い所に行ってしまった。
どれだけ『絶対打つ』と思っても、それだけじゃ到底甲子園なんて、
県大会制覇にすら及ばなかった。
キミが出来なくなった事を出来るだけしたかったのに、
キミが行きたかった甲子園、全く及ばなかった。
「ごめ…」
ボクの口からは『ごめんね』しか出てこない。
『あそこで打てたら』とか『あの球を取れば』とか。
思う事はあっても、何を言っても言い訳にしかならないよ。
今キミが隣に居たら、ごめんしか言えないボクに、
『ユキのせいじゃないだろ?』って。
こっそり言った後、きっとみんなと悔しさを泣いて吐き出すと思う。
でもキミは居ないから、大会にも出られなかったから。
何も出来ないまま、試合に負けたボク達を見るだけだから。
ボクは意味の無い『ごめんね』をキミに言う事しか出来ない。
本当に全く意味を成さないし、言ったからといって結果が変わる訳でもないけど。
ボクの口からは『ごめんね』しか出て来ない。
そんな自分が不甲斐無くて、ちっぽけで、情けなくて。
もちろん野球は団体競技だけど、
でも何故かボクの責任のような気がして。
キミが出来なくなった事を出来るだけしたかったのに、
重要な事を成し遂げる事は出来なかった。
「──ごめんね」
何回言っても意味は無いけど。
結果は変わらないけど。
それでもボクは口にする。
情けなくてごめんなさい。
キミのやりたかった事、出来なくてごめんなさい。
夏の熱い太陽が、じりじりと引っ切り無しに照らしてくれる。
慰めてくれるみたいな暖かい光と、苦しいくらいの暑さと。
キミに対するごめんなさいと後悔の気持ち、
この太陽の光と共に忘れない。
write:2006.06.10
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