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遊戯王 にはまってしまったようだ これは 萌を ほうしゅつするしかない▽
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ShortShort!!
闇表でVOCALOIDパロディ。

※設定※
  • 闇=マスター、表=VOCALOID。
  • 海馬コーポレーション製VOCALOID。発売日・価格未定。
  • VOCALOID製作者、海馬瀬人。
  • KC所属デュエリスト兼作曲家、武藤遊戯。
  • 本家VOCALOIDさん達はこの世界にはいないようです←

 遊戯が勤める海馬コーポレーション。ゲームやおもちゃ、遊園地運営といった子供向けの娯楽を中心に展開する企業である。この分野ではなかなかの業績を上げていて、トップを独走していると言っても過言ではない。
 この会社で遊戯はデュエルモンスターズのデュエリストとして、そして遊園地やゲームなどで使われる楽曲の作曲家として働いている。本業はあくまでデュエリストと認識されているようだ。デュエルキングの名を得てからどのくらい経っただろうか。未だ無敗の王者として君臨する武藤遊戯の名前は、デュエリストはともかく、一般人にも広く知られた存在である。デュエリストとしての仕事が多い為か、作曲家としての仕事はほとんど行っていない状況にあった。
 ただ遊戯にとって作曲と言うのは趣味であって、とても身近なものだ。頭の中に流れるメロディ、音色、それらを摘み取っては楽曲にする。暇を見つけては譜面を起こしたり、実際演奏したり。最近では楽曲制作ソフトウェアの使い方を覚えた。海馬コーポレーションのパソコンは流石に性能が良いらしく、自宅にあるパソコンよりも断然スムーズに動いてくれる。会社に訪れては作った楽曲をパソコンへ記録する。そんな作業を趣味程度に、最近では日課として行っていた。
 しかしこうして出来た楽曲はほとんど表舞台に立つ事はない。作曲家として仕事を依頼された時は、予めイメージや指示を受けてから楽曲制作すると決めている。趣味で作った楽曲を仕事で用いる気は毛頭ない。そういった思いがあるからだった。
 次の大会までわりと時間がある。デッキの調整はとっくに済んでいる。これ以上手を加えるつもりはない。
 普段はデュエルの毎日、その合間に趣味の楽曲制作というのが日常だった。今、作曲家としての仕事は依頼されていない。実質大会までオフを貰ったようなものだ。
 ───さぁ、何をしようか?
 何をしようか考えているところ、社長…海馬から新しい製品の開発を始めたと本人から直々に聞かされた。なんでも、楽曲制作ソフトウェアらしい。それもヴォーカルパートまで制作することが出来るという。ヴォーカルパート─なんとソフトウェアが歌う、のだそうだ。
 遊戯自身、最近楽曲制作ソフトウェアを利用してはいるが、あくまで記録する為に過ぎない。紙の譜面は嵩張るし、後になって探すのも面倒だ。パソコンに保存するならそういった点は問題なくカバーできる。
 遊戯が利用しているのは後々面倒だからという理由によるもので、楽曲制作ソフトウェアの性能に頼っている訳ではない。実際の演奏や歌声に勝る物はないし、何より実際の、本物の音が好きだった。
(ソフトウェアに歌わせる?…海馬の考える事は理解できないぜ。)
 思ったが敢えて伝えなかった。言ったらどうなるかなど、長い付き合いの中で分かりきっていた。もしかしたら海馬自身、遊戯が何を思ったか分かっているかもしれない。それを敢えて遊戯に、それも直々に伝えたという事は自信の表れだろうか。
 伝えに来た海馬の表情を思い返せば、そういえばいつも以上に自信家な、そんな表情にも思えてくる。そんな時の海馬が作る製品は大抵多くの支持を集めていた。デュエルディスクはその代表の一つだ。
 興味はなくもない。楽曲制作ソフトウェアが便利な事に違いはない。ただ海馬の新製品を利用するかは別だ。今遊戯が使っているソフトウェアで事足りるし、別のソフトウェアの使用方法をまた一から覚えなおすのは面倒だとも思う。
 成功を祈るかと遊戯は自分とはまったく関係のないように考えていた。が、それはどうやら間違いらしい。海馬が直々に来たという事を深く考えていなかった。

『遊戯、新製品の試作品が出来た。今週土曜に貴様の自宅へ送る。使用感想、改善点、評価は1ヵ月後に聞く。仕事だ、怠るのは許さんからな。』
 海馬からの突然の連絡には既に慣れた。しかしソフトウェア開発の話を聞いてから、まだ1週間と経っていない。
(今週土曜って…それは明日だぜ、海馬。いくらなんでも急すぎるだろ。)
 ソフトウェアの完成間近だったから遊戯に伝えたのか、それとも急ピッチで、それこそ寝る間も惜しんで開発を進めたのかは本人に聞かなくては分からないが、ともかくその新製品の試作品は出来上がったらしい。
 “デュエリスト 武藤遊戯”としてしか見ていないと思っていた海馬が、遊戯に試作品の試行をさせる事には遊戯自身驚いた。わざわざ開発途中に伝えに来たのは試行させるつもりだったからなのか。一応作曲家としての遊戯を認識していたらしい海馬に、「意外だ」と遊戯は口に出していた。

* * *

 試作品が送られる土曜日─突然の連絡の翌日。いつ届くか分からないそれを、遊戯は家で待っていた。
 届く間、特にする事はない。弾きなれたアコースティックギターを取ると、頭に浮かんだメロディに合わせてコードを鳴らした。穏やかな、そんな音色が部屋中に響く。なかなか気に入った曲が出来る、そんな予感がした。身近なところにあった紙とペンを取り、とりあえずコードをメモする。
 そんな作業をしていて数十分程経っただろうか。インターホンが鳴った。モニターを確認すると、間違いなく海馬コーポレーションの社員が映し出されている。届くのはまだ試作品。間違って流出しないように、かは分からないが、海馬の周りでよく見掛ける黒服の─おそらく磯野が立っている。
 ギターを置き、玄関へ向かう。扉を開けると、想像していたソフトウェアの箱とはまったく異なる随分と大きい、それこそ遊戯の身長ほどもある箱が玄関前に運ばれていた。なかなか運ぶのは大変だったらしい。やはり磯野だった黒服は、まだ息が整わないようだった。─遊戯の住むマンションは最近出来た高層マンションの最上階。息を切らさないわけがなかった。
「む、武藤…様。海馬社長から、の、お届け物、です。」
「あ、ああ。…大変だな、磯野。同情するぜ。茶くらい出すが?」
 息も絶え絶えに話す磯野に、遊戯は部屋の方を指差し休んで行く事を促した。しかしそうもいかないらしい。
「いえ、これからまた仕事、がありまして。…いつも、恐れ入り、ます。」
「いや。体に気を付けてくれ。」
 磯野は海馬に絶対の信頼を置かれている。しかしそれは磯野に休む暇を与えない。息絶え絶えの磯野だが次の仕事がすぐ控えているらしい。
 試作品の入った箱を部屋の中へ運んでくれたかと思ったら、そのまますぐ磯野は去ってしまった。部屋には遊戯と試作品。磯野がいなくなると、磯野に対する同情で試作品の入った箱の事を“運ぶのに大変な大きすぎる箱”程度にしか認識していなかったが、漸くまともに試作品へ意識が向いた。

「海馬…ソフトウェアを作っていたんじゃなかったのか!?」

 ソフトウェアにしては明らかに大きすぎる。箱にはご丁寧にも上下が明記され、取扱注意と目立つように書かれている。床の上、横に置かれたその箱。それなりに重さもある。
 ───本当にソフトウェアなのか?危険はないのか?
 遊戯は息を呑んだ。こんな大きな箱に入ったソフトウェアなんて見た事も聞いた事もない。恐る恐る箱の封を切った。そしてゆっくり開ける。
「…………!!?」
 中に入っているそれを見るなり、驚きで絶句した。
 中には箱に横たわる人の姿。目蓋は閉ざされ、腹の上で手が組まれている。どこからどう見ても人に見えるそれ。
 眩暈を起こしたのは、遊戯の気のせいではなかった。いっその事眩暈を起こすついでに意識を手放して、送られた試作品とやらは夢だった。─それなら良いのにと珍しく後ろ向きに考えてしまったが、これが夢のはずはない。
(落ち着けオレ…!いくら海馬と言っても人間を送りつけるはずがないぜ!)
 デュエルで鍛えた持ち前の精神力で何とか持ち堪える。送り主、そして開発者は海馬瀬人なのだ。非現実的な事、オカルトなどは全否定する彼だ。彼が送ってきた物なら、意味のないもののはずはない。
(…落ち着いてよく考えるんだ。きっとよく見れば……ん?)
 ふと視線を落とすと、組まれた手の下に置かれた冊子に気付いた。そっと抜き取って見ると“取扱説明書”と表紙に書かれている。ページを捲ればなるほど、起動方法から設定方法、分かりづらいところにはイラストも添えてある。確かにこれは目の前に横たわるそれの取扱説明書のようだった。
「っよし!…とにかく起動させてみれば何とかなる、はずだぜ!」
 一番最初のページに起動方法が書かれている。どうやら首に巻かれたチョーカーの下に起動ボタンがあるらしい。
 横たわるそれの上半身だけ起こして支えた。触れてみて思う。あまりにもリアルすぎると。見ただけでは分からない肌の質感は、触ってみると人そのものだと感じられる。
 ベルト型の皮製のチョーカーを外すと、細い首が表れた。側面に小さな赤いボタンを見付けた。おそらくこれが起動ボタンのようだ。
「押す、ぞ…」
 起動ボタンを押す。カチッと小さな音がした刹那、支えているそれが微かに震えた、ような気がした。気のせいかと思ったが、そうではなかった。
 そっと、閉じられていた目蓋が持ち上がる。そして表れた大きな瞳。それはとても綺麗な紫色、思わず見惚れてしまうような、そんな色だ。
 眠たげな表情にも見れるそれ。カクンと突然俯いた事に驚いたが、ほんの十秒程だろうか。持ち上がる頭、そしてそれは遊戯へと顔を向けた。
「初めまして。貴方はマスター?ボクはVOCALOID。名前はユウギ。歌う為に生まれたんだ。」
 まるで人のように話すそれ。にこやかな表情で、まるでここにいるのが嬉しいような、そんな表情を遊戯に向けている。
 あまりにもその表情が自然で、しかも可愛くて。
 呆然とした遊戯は目覚めた試作品─ユウギと名乗ったVOCALOIDを起こして支えた体勢のまま暫く固まっていた。



write:2008.09.05


VOCALOIDパロのつもりがなぁにこれぇ?ちょびっツになってた不思議/(^o^)\
社長がソフトウェアって言ってたクセに本物志向目指したからこうなった。とりあえず磯野に謝れ←
アコギ+闇を想像したら吹いた^^闇はボーカルが良いんじゃないかな!だって王様だもん。
思ってた所まで話進まなかったけど力尽きた。話ぶった切って終了。文才をどなたか分けて下さい^^
本当は歌ったり切なくなったりラヴラヴになったりするんだよ、きっと。その内書けたら良いな。ユウギがいきなり喋ったのは初起動の時用プログラムが予め組まれているから、だと良いな(^q^)
闇表でリン・レンでも美味しい。
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AIBOとATMが大好きです。
闇表だけど、精神的には表闇も大いに結構。

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